March 31, 2020

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「挨拶」の力

March 31, 2020

  朝の出会い頭に「おはよう」と声をかけ合うのは、すがすがしいものです。ところがその言葉自体は、内心“朝から嫌な人に会ってしまったな。それでも知らん顔をするわけにもいかないし、まあ仕方がないか”と思いながらでも、口にすることはできます。

 

 挨拶とは、もともと禅の言葉でした。「挨」には「押し開く」という意味があり、「拶」は「迫ること」を意味します。師匠が弟子に問答を迫って悟りを試す、あるいは修行をしている人同士が問答を繰り返して切磋琢磨するというのが、本来の意味であったようです。

 

 これが転じて「人に近づき、心を開く際の言葉や動作」を示すようになりました。代表的なものとしては「おはよう」や「こんにちは」をはじめとする言葉の数々、また、動作ではお辞儀や会釈などが挙げられるでしょう。そこには儀礼的な意味もありますが、一般には友好の意思や親愛の情がこもったものと受けとめられます。つまり挨拶とは、みずから胸襟を開き、相手の懐に飛び込んでいくことに通じるのです。

 

 初対面の人を前にしたとき、また、気心の知れた人がいない場所では、私たちはつい身構えてしまうものです。そんなときにかけられた挨拶のひと言で緊張が解け、心が温まったというのは、多くの人が経験していることではないでしょうか。心のこもった挨拶には、固く閉ざされた心の扉をも押し開いていく、不思議な力があるようです。

 

 私たちは、家庭や学校、職場、地域社会をはじめとする日常生活の場で、ほかにもさまざまな挨拶を交わしています。それは日常的なものであるだけに、あまり気に留めることはないかもしれませんが、あらためて考えてみると、人間関係の潤滑油的な役割を果たす、とても大切なものです。たったひと言の声かけによって周りの人たちの心が明るくなり、家庭や学校、職場や地域社会が和やかになるのなら、挨拶の言葉を発する私たち自身の日々の暮らしも、より心豊かなものになっていくはずです。

 

 まずは自分から一歩を踏み出して、日常の挨拶に「相手の幸せを祈る心」を添えていくように意識してみませんか。

 

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