考え方は変わったか、自分は変わったか

聖路加国際病院理事長の日野原重明氏は、次のように述べています。
「鳥は飛び方を変えることはできないし、カンガルーは跳ね方を変えることはできません。しかし、私たち人間は、どの時期においても、変えようと思えば生き方を変えることができます」(『「生き方上手」の秘訣』モラロジー研究所)
私たちの人生は、自分ではなんでもないと思えるような日々の小さな行いと、目には見えない心づかいの積み重ねによって形づくられています。こうした「小さな行いと心づかい」を変えていくことこそが、「生き方」を変えることにつながっていくのでしょう。私たちの心は、日々、プラスにもマイナスにもはたらきます。毎日の生活の中で、心の生活習慣を少しでもよりよい方向へ改善していきたいものです。(『ニューモラル 心を育てる言葉366日』モラロジー研究所)
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この話を読み、ふと思うことがありました。そこで、夫に聞いてみました。自分自身のことはなかなか把握できないものだからです。
「私って、以前にくらべて何か変化したことってあるのかな?」
そうしましたら、夫は「以前に比べて優しくなったと思うよ」と言ってくれて、うれしくなりました。子供に対して優しくなったものと、私は受け取ったのですが、夫はひと言、
「いや、僕に対してだよ」
と笑顔を浮かべます。いやはや、私って、以前はどんなに厳しい妻だったんだろう……。
自分自身、子供たちに優しくなりたいとか、夫に対してもう少しにこやかでいたいとか、日々、反省することばかりです。でも、相手から見たときに、「ちょっと変わったな」とか「優しくなったな」と思ってもらえているんだとわかり、自分で自分をほめることや、認めてあげることも必要だと感じました。
プラスに変えていくとか、良い方向に改善していきましょうと言われると、「今の自分がまるでできていない」と思いがちです。ですが、そうではなくて、まずはよい行いをしようと心掛け、結果的にほんの少しずつでもよい方向に変わっていることがあると認めるところからスタートしていきたいものだと、今回のことで思うようになりました。
日々の生活の中で、「心を良くしていきましょう」という心づかいの大切さに加えて、「では、そのためにはどういうことができるのか」に取り組んでいきたいと思います。