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March 31, 2020

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食卓で伝わる「食」

February 28, 2020

  ある土曜日、妻が仕事で帰宅が遅くなったときのことです。娘が「小腹がすいた」と言うので、食費棚や冷蔵庫の中を覗いてみました。適当なものがなかったものの、お餅を見つけたのでオーブントースターで焼きました。

 

 私にとっては最高の焼き具合。しかし、娘は餅を口にすると、そのまま固まってしまい、食が止まっています。

 

“こんなに美味しいのに、なんで食べないんだろう?”と思い、聞いてみたところ、「醤油が甘すぎる」と言います。

 

 私の生まれ育った地方では、醤油に砂糖を混ぜて、甘くするのが常識だったので、無意識のうちにそうしていました。しかし、妻の故郷では砂糖を入れません。子供は妻の味覚に慣れていて、それが当たり前だったものですから、食べなれない味だったのでしょう。

 

 餅を焼いて砂糖醤油につけただけとはいえ、せっかく作ったのにと思わないでもなかったのですが、その言葉を飲み込みました。そこで、以前、ある本で読んだ文章を思い出しました。

 

 

 皆さんの心に残る「おふくろの味」はなんでしょうか。――それは必ずしも「特別なごちそう」ではないかもしれません。家族を思って一日一日を丁寧に生きる親の後ろ姿そのものが、懐かしい食卓の思い出を形づくっているのではないでしょうか。

 食卓で家族が共に過ごし、心を通わせ合う時間は貴重なものです。日常の一コマ、ほんの小さな出来事でも、子供たちが“家族が自分のことを思ってくれている”と実感できたなら、それは大切な思い出として心に残っていきます。また、子供のころに味わった喜びは、自分が大人になってから構える家庭でも、やはり“子供に味わわせたい”と思うものです。そうした思いの連鎖の中に、祖先以来の家庭の文化が息づいて、親から子へ、子から孫へと受け継がれていくのでしょう。

 家族がそろって食卓を囲む意味を、今、あらためて考えてみませんか。

(『ニューモラル 心を育てる言葉366日』モラロジー研究所)

 

 

 出身地によって食の常識は違うものです。海苔をご飯に巻いてから醤油に着けるか、醤油に着けた海苔をご飯に巻くのか。目玉焼きには醤油をかけるのか、ソースをかけるのか。ラーメンにナルトを入れるのか入れないのか、などなど。ちょっとしたこととはいえ、食が原因の争いは、意外と根が深くなりがちです。

 

「ごめんごめん。お父さんの育った地方では醤油に砂糖を入れるものだから、癖で甘くしちゃった。もう一回、お餅を焼くから待っていてね」

 

 娘にそう言って、新たにお餅を焼くのでした。ちなみに、最初に焼いたお餅は私がすべて平らげました。そのため、夕食が入らなくなって妻に呆れられましたが。

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