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支えられて「今」がある

February 10, 2020

 

 私たちの団体では全国各地で小学生等を対象としたエッセイ募集事業を行っています。次の物語は東北の担当者さんからうかがったお話です。

 

 ※

 

 その少女は、小学3年生のときに小児脳梗塞にかかりました。病院に行って手術をし、半年の療養の末、学校へ帰ってきました。帰ってきたものの、半身がうまく動かせなくなったままの状態でした。

 

 少女は体育がとても大好きでしたが、そうした状態のために体育ができず、大きなストレスを抱えるようになります。

 

 お父さん・お母さんは共稼ぎで、家にいてくれるのはおばあちゃんだけ。そのおばあちゃんに、少女は学校から帰るといつも辛くあたっていたそうです。

 

 しかし、そんな少女とおばあちゃんたち家族に転機が訪れます。小学5年生のとき、再度、医者にかかり、体が動かせるようになったのです。体育もできるようになりました。

 少女は、次のようなエッセイを書いて、私たちに送ってくれました。

 

 小学3年生のときに〇△市に行って大きな手術をしました。

 今度は5年生になって、また手術をしました。

 今、家族に感謝しています。

 

 だいたいこのような文章でしたが、おばあちゃんは、そのエッセイを読んだとき、涙が止まらなかったといいます。家族という文字が、もちろん父母の存在もあるのでしょうが、おばあちゃんにとっては、自分のことを言ってくれていると感じられたのです。

 

 私は後でおばあちゃんと会って話したのですが、その歳月の中で、「何度、死のうと思ったか分からない」とおっしゃっていました。辛い気持ちでいる孫がかわいそうでならなかったのでしょう。続けて、「今の楽しみは、この子が20歳になって、成人式の衣装を着ることです」と笑顔でお話になられました。

 

 私は、エッセイ自体は素朴で淡々としたものではあるものの、裏にはほんとうにさまざまな思いが込められており、重いものだなあと感じさせられました。

 

 ※

 

 こう担当者から聞かされた時、こちら(ブログ筆者)も胸が締め付けられるような思いがしました。少女は直接言いづらいことを、エッセイを通じて、一生懸命に「お礼」の気持ちとして綴った。おそらく、自分はみんなにあたってばかりいたのに、周囲(おばあちゃん他)はそんな自分をゆるし、支えてくれていたのだ、と気づいて……。

 

 ※

 

 東北の担当者さんは、「震災でみんな悶々として何をしていいか分からない中、子供たちの感謝の言葉をつないでいくことで、街が前に向かって動き出せるんじゃないか」と思ったことが、エッセイ事業を始めるきっかけだったと言います。

 

 恩に気づき、感謝をし、思いやりの心を育んでいく――。そうした心、つながりは人々に喜びという大きなエネルギーを与えていくことでしょう。心の復興につながることを念願しております。

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