March 31, 2020

Please reload

最新の記事

察する力

January 17, 2020

 

 20世紀末のある年末、テレビで「2001年宇宙の旅」が放映されたことがありました。内容にいたく感動した私は、アーサー・C・クラーク著の原作小説を求めて書店に出かけました。

 

 書棚を見ると、私と同様に原作を買いに来た先発者がいたのか、数あるクラークの小説の中で、その本だけが欠品しています。そこで近くにいた店員に、「アーサー・C・クラークの『2001年宇宙の旅』の在庫はありますか?」と声をかけ、探してもらいました。

 

 しばらくしてバックヤードから戻ってきた店員が、私にこう言いました。

 

「お客様、2001年の『朝日グラフ』はございません」

 

 “……私が言ったのは「朝日グラフ」ではなく、アーサー・C・クラークですよ”と反論するのもむなしくなり、探してくれた店員に礼を言って立ち去る私でした。

 

 

 お客様対応でよくあるのが言い間違いに聞き間違え。避けようとしても一定の頻度で起きるものです。また、お客様はでうろ覚えの商品名や用語を口にすることが多いのも現実です。

 

 またしても私の例で恐縮ですが、過去にICレコーダーに使う充電式電池を買いに大型家電店へ行った時のことです。指定のメーカーの名前を忘れ、店員に「パイオニアが出しているICレコーダーに使う充電池」と伝えると、しばらくして手に電池を持って戻ってきました。まさに私の求めていた商品でしたが、電池に書かれていたメーカー名は「オリンパス」。「パイオニア」と「オリンパス」では「パ」の一文字しか合っていない。

 

 私の言った言葉から察して正しい商品を持ってきた店員に、恐縮すると共に感謝しました。

 

 いかにしてお客が求めるところを察するか。それは豊富な商品知識に裏打ちされるのはもちろんのこと、お客に心を向けて、「どの商品がほしいのか」だけでなく、「どのような場所・場面で使うのか。そこから考えてどの商品が最も求めるところにマッチするのか」を考えて商品を絞り込み、提示することが必要になります。

 

 心の中で行うその作業は、店頭のみならず、日常生活の中で繰り返し行われることでしょう。日々の心づかいの訓練で、少しでも成長していきたいものです。

Please reload

このブログは公益財団法人モラロジー研究所が長年の研究・教育の成果を多くの方々にフィードバックするために運営するものです。少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

最新の記事

March 31, 2020

Please reload

Please reload

過去の記事

このWebサイト上の文書、映像、写真などの著作物の全部または一部をモラロジー研究所の了解なく複製、転用することを禁じます。
〒277-8654 千葉県柏市光ヶ丘2-1-1 TEL:04-7173-3111(代) FAX:04-7173-3113

公益財団法人 モラロジー研究所

  • b-facebook
  • Twitter Round
  • Instagram Black Round