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子供の心を引き出すように

December 19, 2019

 

 多くの家庭と同様に、我が家でも子育てに関しては主に妻が力を入れています。子供と接する時間が父親に比べて母親のほうが長いので、こればかりは仕方ないことなのかもしれませんが、ともかく父親として子育てに関与していく隙間が少ないのが現実です。

 

 いささか手前みそになりますが、私が妻の子育てを見ていて思うのは、本当に細かなところまで心を使っていて、到底真似できそうにないということです。

 

 例えば、子供に対して道筋を指し示すことはあっても、押し付けがほとんどありません。「勉強しなさい」と伝える場面があったとしても、ストレートにそう言わず、「将来、自分のやりたい道に進むのならば、何が必要か」とか、もしくはハードルを下げて「5分間だけ教科書を開いて目を通せば、勉強しなくていい」などと、まずは子供の心を勉強に向けて一歩進ませるように伝えるのです。

 

 そうしますと不思議なもので、「勉強しろ」と押し付けて、親の強制力を働かせると反発心が生まれますが、まずは納得させるようにしていくと、子供の心に言葉が落ちていくのか、抵抗されません。

 

 もう一つは、実はこちらのほうが重要なのかもしれませんが、「否定しない」ということです。例えば子供の趣味。大人から見たらくだらないと思うようなものがたくさんあります。

 

 娘の趣味は「石集め」でした。子供のころ、いろんなところから石を拾ってきてコレクションし、箱に並べて押し入れ一杯に保管していました。私としては、“石なんて集めて邪魔になるし、それが将来に何の役に立つのか”と思わないでもありませんでした。さすがにそれを本人の前で口にすることはなかったものの、やはり内心は全肯定する気持ちにはなれませんでした、しかし、妻は違ったようです。娘が拾ってきた石を手に取りながら、何やら熱心に質問する姿を思い出します。

 

 妻と二人だけの時に、娘の石コレクションについて話をすると、こんなことを言っていました。

 

「趣味なんて他人から見たら多かれ少なかれ無駄なもの。だけど、そういう無駄が生きる力というか、心の活力になっていくのじゃないかしら。実際、石拾いの趣味は将来の役に立ちそうにはないけど、笑顔で石を拾ってきて、真剣な目でそれぞれの石について語ってくれるその姿を見ているだけで充分なのよ」

 

 それを聞いて、私はなるほどと思ったものです。相手を否定せずに、認めること。これは大切なことだと感じます。人は他者から認められることで、力が生まれます。子供の“偉大なる無駄”に心を向けて、力を引き出していくことができるよう、心がけたいと思います。

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