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November 28, 2019

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相手が欲するように

July 30, 2019

 たまたまある雑誌を見ていて、恩師・S先生の記事と顔写真を発見しました。私は、8年前にS先生と交わしたやりとりを思い出し、懐かしくなりました。

 

 8年前の3月、東日本大震災が発生し、津波による大きな人的被害が出て、しかも福島第一原発爆発事故まで起きる大惨事となりました。それから1週間ほど経った頃、私はS先生とお会いする機会を得ました。

 

 S先生は物理学の博士号をお持ちで、専門家としての鋭い視点から、多くの場所で意見を発し、社会的に活動してこられていました。

 

 以前より謦咳に接していた私は、当時、再三にして話題に上っていた原発事故や放射線の影響について質問しました。S先生は、科学にうとい私に、丁寧に答えてくれました。

 

 話が進み、私が軽い気持ちで、「マスコミが電力会社の責任について盛んに報道していますね。今後、原発に関する大きな被害が出そうだとの話も聞こえてきています。つまるところ、先生は原子力発電には反対なのですか」と聞いた時のことです。S先生は、表情を鋭くして、こうおっしゃいました。

 

「今は、原発の是非を問う議論をする時ではないでしょう。必要なのは、被災地の人たちに正確な情報を伝えることであり、国民みんなが事実を知ることです。

 

 むやみに放射能の恐怖感を煽るメディアがあるようですが、彼らの言った通りにはならないと私は考えています。事実を知っていれば、そうはならないことは予想できます。

 

 確かに放射能は危険なところがありますが、正確な事実を把握していれば、安心しながら怖がることができる。それは大切なことなのです。

 

 ともかく、重要なのは、被災地の人が何を欲しているかです。困っている人が何を求めているのかです。それを考えて行動しないと、道を間違えることになります。

 

 君も浮ついた気持ちで、不安を煽るようなことを言わないようにしなさい」

 

 最後にお小言もいただいてしましました。

 

 S先生の言葉で冷静になることができた私は、“何も知らないこと”による不安から脱することができたような気がしました。

 

「困っている人がいたら、何を欲しているか、困っている人の立ち位置で考えて行動する」

 

 このことは、震災以後、私の行動基準の一つとなっています。

 

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