このWebサイト上の文書、映像、写真などの著作物の全部または一部をモラロジー研究所の了解なく複製、転用することを禁じます。
〒277-8654 千葉県柏市光ヶ丘2-1-1 TEL:04-7173-3111(代) FAX:04-7173-3113

公益財団法人 モラロジー研究所

  • b-facebook
  • Twitter Round
  • Instagram Black Round

November 8, 2019

October 19, 2019

Please reload

最新の記事

「まごころ」の力

April 1, 2019

 

 中国古典の『孟子』に、次のような話があります。

 

 ――人には皆、他人の不幸を平気で見ていられない心がある。例えば幼児が井戸に落ちそうになっているのを目にしたら、誰もがはっと驚いて、助けようとする気持ちが自然とわき起こるはずだ。それは子供を助けることで、その父母とお近づきになりたいと思うからではなく、周囲の人たちに賞賛されたいからでもなく、助けないことで悪評が立つのを恐れるからでもない。つまり、この心は、誰もが生まれながらに持っているものである――

 

 『孟子』ではこれを「惻隠の心」という言葉で表現し、「惻隠の心は仁の端なり」と述べています。仁とは他を慈しむ、深い思いやりの心です。そんな仁の糸口となる温かい「まごころ」の芽は、誰の心の中にもあるというのです。

 

 人の悲しみに接したら、胸が締め付けられるような思いがして、なんとか慰めたいという気持ちがわいてくる。困っている人に出会ったら、何か自分にできることはないかと考える。私たち一人ひとりにも、そんな経験があるのではないでしょうか。そんな温かい思いや優しい気持ちこそが「まごころ」の芽なのです。

 

 私たちは日々、心の中に芽生える温かい思いや優しい気持ちを、身近な暮らしの中で、どれだけ生かすことができているでしょうか。

 

 今、静かに自分自身の生活を振り返ってみましょう。そこには必ず誰かの「まごころ」が存在するはずです。自分を生み育ててくれた親祖先や、お世話になった先生や先輩、親しい友人や近所の人たちなど。また、一度だけ会った人から受けた「小さな親切」まで数え上げれば、きりがありません。そうしたことに気づいたら、感謝と共に心の中に芽生える温かい思いや優しい気持ちを大きく育て、自分自身も積極的に行動に表すように努めたいものです。

 

 誰かの「思いやりあるひと言」に触れてありがたく思ったなら、自分も周囲の人たちに温かい言葉をかける。誰かの手助けを受けて救われた気持ちになったなら、自分も「困っている人の力になれたら」という気持ちで周囲を見渡してみる。そこで生まれたぬくもりは周囲にも波及して、よりよい社会を築く原動力となっていくことでしょう。そうしてこそ、私たち自身の安心と喜びに満ちた人生が開かれていくのではないでしょうか。

 

平成31年4月号


※『ニューモラル』4月号のお求めは、こちら

Please reload

このブログは公益財団法人モラロジー研究所が長年の研究・教育の成果を多くの方々にフィードバックするために運営するものです。少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

最新の記事

November 8, 2019

October 19, 2019

Please reload

Please reload

過去の記事