このWebサイト上の文書、映像、写真などの著作物の全部または一部をモラロジー研究所の了解なく複製、転用することを禁じます。
〒277-8654 千葉県柏市光ヶ丘2-1-1 TEL:04-7173-3111(代) FAX:04-7173-3113

公益財団法人 モラロジー研究所

  • b-facebook
  • Twitter Round
  • Instagram Black Round

November 8, 2019

October 19, 2019

Please reload

最新の記事

「次の人のこと」を考える

August 3, 2018

 

「こんなつもりじゃなかったのに……」
「これから何を目標にすればいいのか……」

 

 人生の岐路において、こんな思いが胸をよぎったことはないでしょうか。


 例えば進学や就職などに際して、希望していた進路に進むことができなかったとき。不本意ながらも別の道を歩むことになったとして、どのように自分の気持ちと折り合いをつけていくのか。また、もともと希望していた進路であっても、「入ってみたらイメージと違った」等の理由から、急に気力をなくしてしまう場合もあるでしょう。


 長年、大学での道徳教育に携わってきた北川治男さん(麗澤大学名誉教授、公益財団法人モラロジー研究所副理事長)は、自分の人生に意味や目標を見いだせないまま「自分探しの旅」を続ける若者の多さを感じてきたといいます。その問題意識から、北川さんは「アイデンティティ(自分の存在意義)の確立」というテーマを大学の授業で繰り返し取り上げてきました。それは自分自身の帰属集団との関わり方や、自分の価値観について考えを深めていく中で、明確になってくるといいます。


 ここでいう「帰属集団」には、家族や学校、職場、地域社会といった身近なものから民族や国家まで、さまざまなものがあります。それらはふだん、あまり意識していなかったとしても、私たちの生活を根底から支えているものです。


 しかし私たちは、ともすると「個人の自由」を尊重するあまり、「集団の一員としての意識」を薄れさせてはいないでしょうか。北川さんは、そのことが「アイデンティティの確立」を困難にする要因の一つではないかと指摘します。


 例えば、最も身近な帰属集団である「家族の一員としての自分」について考えてみると、私たちは決して自分一人の力で生きているのではなく、親から子へ、子から孫へと伝わる大きな「いのちのつながり」の中にあることが分かります。また、現在の私たちの生活が、職場や学校、地域社会をはじめとした世の中の多くの人たちのはたらきによって支えられていることも、忘れてはならないでしょう。


 自分が他の人々から支えられているように、そして親祖先が今日まで「いのち」を育んできてくれたように、私たちもまた誰かを支え、育てるという「いのち」のはたらきを、次の世代へつないでいくという使命を帯びた存在です。この「社会を支える一員」「過去と未来をつなぐ存在」としての自分自身の立場に気づいたとき、人はそこに「生きる意味」や「人生の目標」を見いだして、力強い一歩を踏み出すことができるのではないでしょうか。

 

平成30年8月号

 

Please reload

このブログは公益財団法人モラロジー研究所が長年の研究・教育の成果を多くの方々にフィードバックするために運営するものです。少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

最新の記事

November 8, 2019

October 19, 2019

Please reload

Please reload

過去の記事