⑧心の和音を響かせる
今回の『ニューモラル』は「心の和音を響かせる」(No.498、平成23年2月号)。スーパーの店長としてバリバリ働く主人公が、その熱心さゆえに、部下の働きぶりを物足りなく感じ、悪い感情を抱くに至るというお話です。野々村守春・モラロジー研究所出版部長は「熱心に働くことはよいことだが、ときに『自分だけが頑張っている』という高慢心が生じやすい。それが過ぎると周囲にも同じような熱心さを求め、そうでない人を排除してしまうことがある」と心の中に潜む“熱心の弊”を紹介。そうならないための考え方として、「仕事は自分一人ではできない。周囲と調和してこそ、よい仕事になる。人の長所や美点を生かすように心がけたい」と解説しました。
インタビュー「この人のちょっといい話」のゲストは、先週に引き続いて、カウンセラーとして活躍される静岡の鈴木晴美さん。テーマは「共感しあえる家族のあり方」です。鈴木さんは、自身の子供を「素直なよい子」に育てようと、ときに指示・命令口調で厳しく導いてきました。それは同居する義父母の手前もあってのことだったと振り返ります。しかし、反抗期を迎えると子供は反発、自分本位の態度が子供を傷つけていたことに気づかされます。そこで、子供も自分も気持ちが落ち着いているときに、「お母さんにとってあなたは大切な子供なんだよ」「お母さんはあなたが生まれてきてうれしかったんだ」などと、自分の親としての思いを心の中で1分くらいかけて唱え続けたのだとか。そしてさらに、物事の善い悪いで判断するのでなく、子供の言い分をありのままに受けとめる「受容の心」、子供の考えや主張に対して自分もまったく同じように感じる「共感の心」をもって、接していくように心がけたといいます。思いやりの心を常に添えて接することで、「共感しあえる家族」になれると述べられました。
(画像:鈴木晴美さんとパーソナリティの椎名倫子さん)
