October 10, 2019

 労働災害において、「ハインリッヒの法則」と呼ばれる経験則があります。20世紀の半ば、アメリカの損害保険会社に勤務していたハーバート・W・ハインリッヒ(1886~1962)は、労働災害の発生状況を調べた際、ある法則を発見しました。それは、人命に関わるような重大事故一件の背後には、二十九件の中規模事故があり、さらにその背後には三百件の小規模事故、あるいは「ヒヤリ」または「ハッ」とした未然事故があるということです。

 この法則の関連で、1990年代、ニューヨーク市のルドルフ・ジュリアーニ市長の施政を思い出しました。ジュリアーニ市長は治安の...

August 10, 2019

 ある日、常務に呼ばれて常務室のあるフロアーへ行き、書類を受け取ったときのことです。自分の部署に戻ろうとエレベーター前で待っていたところ、ドアが開くとそこにはなぜか常務の奥様が。

 私が笑顔でご挨拶をしようとした瞬間……。

「電話で“ホールで待っているから”と言われたのに、誰もいなかったじゃない。○○社長とのお約束の時間が迫っているというのに。早く社長室まで案内して!」

 突然、奥様に叱りつけられました。電話も何も、その日に奥様が来社することすら知らなかった私は、混乱しながらも社長室まで案内しました。

 その後、自分のデスクに戻るも、形容し...

July 19, 2019

 責任感が強く、何事もてきぱきと片付けなければ気が済まない。そういう人は効率重視で、少ない時間で多くの仕事をこなそうとします。それ自体は大変有意義なことですが、中には高効率で動くことを他人にまで強く押し付ける人がいます。

 自分の物差しを「絶対的な基準」と思い込んで、力んでしまう。しかし、そこに注がれるエネルギーは問題を複雑にし、人と人との「和」を損なう力となってしまうこともあるのです。

 自分と違うペースで動く人を許せない――そう考える人が身近にいると、心身ともに負担となり、仕事のパフォーマンスにも影響を与えかねません。

 テニスのダブ...

December 29, 2018

 相手のためを思って行動を起こしても、その結果が必ずしも「相手のため」にはならないケースがあります。

 私が小学校四年生のときの出来事です。算数の授業時間が終わる間際、先生がこんな問題を出しました。

「一辺の長さが一メートルの正方形の面積は、何平方センチメートルでしょうか」

 求められる解が「平方メートル」ではなく、「平方センチメートル」なのがミソ。私は何度かの間違いの後、正解にたどり着きました。私の隣席では仲よしの友人Fが、首をかしげながらノートの上の数字をにらんでいます。正解が遅れれば遅れるほど、休み時間が削られます。そこで私は、友人...

October 10, 2018

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 今日の日本社会では、あらゆることがルール化され、細目にわたってマニュアルが存在し、一見、実に合理的な社会を形成しているといえます。管理統制が図られた官僚社会や大きな会社組織、身近なところではコンビニなども、その権限や責任の所在が明確で書式化も進み、マニュアルに沿った行動で営まれています。

 しかし、人間はたびたびミスや勘違い、失敗を繰り返す生き物であり、完璧な機械ではありません。誰かのミスにより大きなトラブル、そして人災と言われる重大な惨事さえ何度も繰り返されています。残念ながら、完璧なマニュアルが存在していたとしてもなかなかその通...

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March 31, 2020

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