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November 11, 2019

 家庭や学校、職場、地域社会……。私たちの生活の場には、世代を重ねて受け継がれてきた大小さまざまな物事があります。それらの中には、ふだんは意識されないほど私たちの暮らしに溶け込んでいるものもあるでしょう。中でも一番の基本といえるものが「いのちのつながり」です。

 人は誰もが父親と母親から「いのち」を与えられ、この世に生まれてきました。さらに誕生後も、ある程度の期間は周囲の大人たちによる献身的な養育を受けなければ、生き抜くことはできなかったはずです。

 養育とは、単に「食物を与えられ、身の回りの世話をしてもらう」ということにとどまりません...

November 8, 2019

 中国の古典(『孝経』)に、次のような言葉があります。

「身体髪膚、これを父母に受く。敢て毀傷せざるは、孝の始めなり」という言葉が中国の古典『孝経』にあります。私たちの体は毛髪・皮膚に至るまで、すべて親からいただいたもの。それを痛めたり傷つけたりしないようにすることが、親孝行の始まりであるという意味です。

 私たちは、親祖先の存在があって、この世に生まれてきました。親にすれば、子供が社会的に高い地位を得て、経済的に豊かになっても、常に親はわが子の健康を心配し、気づかっているものです。その意味で、私たちはまず自分の健康に気をつけて、親に安...

October 29, 2019

 過去に、家事について何度か夫とケンカに発展した話です。

 家事を分担して行う我が家。基本的に家にいる時間が長い私が主体となってやっています。効率を考えれば、そこに問題は感じません。しかし、作業のやり方が、夫と私では全く反対なのです。

 例えば、掃除。私は汚したらすぐにきれいにしないと気が済まないタイプ。でも、おおらかな夫は、散らかすだけ散らかしてから、一気に片付けるタイプ。「足の踏み場がない」と小言を言うと、「まだ大丈夫」「あと3パーセントくらい余白があるよ」などと返ってきます。

 シンクに食後の食器を置くにしても、夫が皿を洗うかもしれ...

October 19, 2019

 先日高速道路を気分よく走っていると、工事のために車線が合流することに気づくのが遅れ、直前で車線変更し、横を走る車に割り込む形となりました。同乗者からは「危険だよ。気を付けて!」と言われ、大いに反省しましたそんなときに、私は次のような一節を目にしました。

 ――車の速度が上がれば上がるほど、ドライバーが認識できる視野は狭まります。高速道路上で車を運転しているとき、インターチェンジの合流地点でスッと脇から進入してくる車にヒヤリとした経験がある人も多いでしょう。

 私たちの心も〝それはこうに決まっている〟〝自分は絶対に正しい〟という一方的な...

October 10, 2019

 労働災害において、「ハインリッヒの法則」と呼ばれる経験則があります。20世紀の半ば、アメリカの損害保険会社に勤務していたハーバート・W・ハインリッヒ(1886~1962)は、労働災害の発生状況を調べた際、ある法則を発見しました。それは、人命に関わるような重大事故一件の背後には、二十九件の中規模事故があり、さらにその背後には三百件の小規模事故、あるいは「ヒヤリ」または「ハッ」とした未然事故があるということです。

 この法則の関連で、1990年代、ニューヨーク市のルドルフ・ジュリアーニ市長の施政を思い出しました。ジュリアーニ市長は治安の...

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